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鹿が嫌がる音はありますか?
以前にネズミ対策でモスキート音を流す場所もあると聞きました。鹿にもそのような苦手な音はありますか?
もちろん、農地は柵で守るのが確実だと理解していますが、柵も完璧ではないので。他にも良い方法があれば組み合わせたいと思っています。
シカにも嫌がる音があるようです。例えば、近畿日本鉄道が「シカ踏切」。電車が通る時に鹿の嫌がる超音波を流すことで線路の横断を阻止する取り組みを行っていて、一定の効果を上げているようです。
しかし、農地などでの音による対策はあまり効果があがっていないようです。実際に同じことを考えて、音で対策をとった例があります。電気柵の前にセンサーつきの犬ロボットを配置し、シカが通ったら自動的に「ワンワン」と大きな音で犬の鳴き声を発するというものです。最初はシカは驚いて逃げていきました。しかし、短期間でシカがロボットに慣れてしまい、最後には犬ロボットの前を平気で通りすぎるようになりました。イノシシでも同様の実験が行われたことがあります。この場合はイノシシの悲鳴を録音した音声をセンサー式のスピーカーで再生する方式をとりました。結果はシカの時と同様、最初は驚いて逃げますが、短期間で慣れてしまうというものでした。
踏切の場合は、単に横断するだけです。シカからすれば、電車が通ったあとは普通に横断もできますし、リスクが大きいので音がしたら逃げていきます。
しかし、農地の場合は目の前に美味しい食べ物があります。少しリスクがあっても何とかして中に入ろうとします。あきらめず何度も様子をみたりして中に入ろうとすることで安全を確認できたら音に慣れてしまうのではないでしょうか。
Fugoさん
ご丁寧な回答ありがとうございます。
超音波すごいです。超音波なら慣れないものなのかと思ったのですが、踏切だからですか。やはり生きる為に食べ物に対しては必死になるのですね。
とりあえず柵でなんとかしようと思います。ありがとうございました。
一ノ瀬さん、こんにちは。少し前のご質問ですが、補足で回答します。
平成19年の報告に、日光の戦場ヶ原のシカ侵入広域防護柵で、道路や橋など柵では閉じられない場所に超音波によるシカの侵入防止を試験した結果が公表されていました。
この超音波装置は赤外線センサーをつけて前方90度で距離13mの感知性能で、シカの慣れ防止に超音波の周波数を18〜23KHzの範囲でランダムに変化させるものとあります。またその際には赤色灯の点滅も合わせてなされました。
4ヶ所の林道開口部で設置された結果、侵入が無くなったり、数頭の侵入があっても音声の発生方向を変えたり、2台に増やしたりして工夫すると侵入がなくなるなど、はっきりとした効果が表れています。
いずれも防護柵と併用し、閉じることのできない道路や橋での使用なので、超音波発生装置だけではシカの侵入は防げないものでしょう。
また農地対策ではありませんが、シカと自動車の衝突事故を防ぐために、フロントグリルにつけて、自動車の電源で超音波を発生ながら走行し、道路近くに居るシカを事前に遠ざける、「鹿ソニック」(19000円)も開発され販売されています。
これも20〜30KHzの高周波音域で35パターンの超音波をランダムに発生させて50〜70mの距離で照射して、シカの慣れを防ぐようにしてあり、赤外線センサーも併用すると防護柵をした農地に応用できるかもしれません。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ceispapers/ceis24/0/ceis24_0_87/_pdf/-char/ja
(戦場ヶ原の開口部でのシカ侵入対策)
https://tmworks-web.jp/products/shikasonic.htm
(鹿ソニック)
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