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ここ20年くらいでイノシシがすごく増えているそうです。
原因はオオカミがいなくなったために生態系が崩れたからですか?
活動場所 :宮城県
環境省によると、1978年から2014 年までの約40年間で、イノシシは約 1.7 倍に増加し、いまも拡大が続いていると言われています。ちなみに、ニホンジカは約 2.5 倍です。
天敵のオオカミがいなくなったのも原因にあると思います。しかし、大きな原因は放棄された耕作地が増えたことにあると言われています。
放棄された耕作地には草が生え、場所によっては柿などの樹木が収穫されないまま放置されています。これらの放棄地はエサ場、隠れ場として恰好の場所です。こういった場所を利用して、多産なイノシシはどんどん数を増やしているというのが最大の要因です。
余談ですが、そもそも「イノシシが山にいて里山や町に出没しはじめた」という考えが間違っています。大昔からイノシシは里山や町にも出没し、今と同じように作物などの被害が沢山あったと言われています。例えば、昭和初期頃のある農村では、収穫時期になると夜通し交代制で見張り小屋で番をし、イノシシやシカを追い払っていたという記録があります。作物などの被害を防ぐために、人が山を切り開いて田畑を耕したり開拓したりして、管理することで、山の奥地へと追いやったのです。そのため、イノシシの住める環境が限られるようになり、数が減っていったと言われています。
「ヒトが山に進出することで山奥へと追いやられたイノシシ達が、ヒトがいなくなった山にまた戻ってきて数を増やし、近くの住宅地まで餌を探しに来るようになった。」というのが現状です。
活動場所 :高知県
活動場所 :和歌山県
Fugoさん 初めまして ご意見 同感します
私が幼いころ 60年前頃
「昭和初期頃のある農村では、収穫時期になると夜通し交代制で見張り小屋で番をし、イノシシやシカを追い払っていたという記録があります。」
父と祖父が交代で寝ずの番をしていました 昼間の重労働の農作業の夜です。辛かったと思います。
Fugoさん、大変分かりやすいご意見、ありがとうございます。
そもそものイノシシは山にいる動物という概念が間違っていたのですか。
お話しを聞いて、とても納得しました。イノシシや鹿などの野生動物と人間、仲良きく共存したいものです。
忠男さん、こんにちは。少し前のご質問ですが回答してみます。
平成25年ので、しかもオオカミの絶滅とシカの増減のついての研究資料ですがまとめてみます。
それによりますと、北海道ではオオカミの絶滅が1890年頃で、本州では1905年頃とされています。しかしオオカミの絶滅前でも北海道や長野県でシカが多く生息していたことがわかっています。
北海道では捕獲数から推測して1873年には47万頭が生息していたと推定されています。これは平成17年に北海道庁が行なった現在の推定生息数の40〜60万頭とさほど大きく違いません。
長野県でも明治中期までかなり多く、その後に急激に減少し、1970年頃から徐々に回復してきています。そのため、シカ(あるいはイノシシ)が非常に少ない時期からすれば、現在の状態は非常に増えたと言えますが、それ以前の多い時期と比較すると、激減前の状態に回復してきたとも言えるとしています。
イノシシやシカなどの繁殖力の高さからすれば、オオカミの絶滅直後に急増しても良さそうなものですが、オオカミの絶滅の時期から100年近く経ってからシカやイノシシが急激に増加しているので、オオカミの絶滅がシカを増やしたとは言えないと結んでいます。
これはFugoさんの言われた通り、人里の環境変化が主な原因と思われます。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/54808/1/65_2_108_116.pdf
(シカ の異常増加を考える、北海道大学)
困ったことがあれば、気軽に聞いてみましょう。似た質問がすでにあっても遠慮はいりません。状況は1人1人違います。また最新の情報が出てくるかもしれません。