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追い払いでは済まず、止むを得ず猿を有害駆除するのはどのような状況になった時ですか?
活動場所 :宮城県
サルを有害駆除するのは、農作物被害や民家、人身被害まで起こし、他の対策では被害が減らない場合に行われます。
人里の農作物に定着して離れない群れや、人慣れが進んで、家屋にまで侵入するオスのハナレザルに対しても箱わななどを使って捕獲されます。さらにひどく被害を出す群れには、大型の箱わなを使って、群れ全体を取りこぼしなく捕獲することも行われます。
また猟銃での有害捕獲を農地と周辺で行うと、駆除の他に追い払いの効果も高め、人里を危険な場所とサルに学習させるのに役立ちます。
しかし、同時に猟銃での捕獲は全頭の捕獲には至らないため、群れ内の数を多少とも減らしても、群れを分散させたり、隣接する他の群れの侵入を呼んで、むしろ農作物被害を大きく広めてしまう可能性があります。
この時には被害を出す群れだけでなく、その周辺にいるサルの群れの行動圏を把握する調査も必要で、専門家の助力が必要です。
さらに箱わなでの捕獲は、農作物の味を知らないサルを、わな用の餌で人里におびき寄せる可能性もあり、設置場所や設置後の管理などでも十分な検討が必要です。
なお、ニホンザルは狩猟鳥獣ではないため、捕獲には有害鳥獣駆除の許可が必要です。
参考
ニホンザルの被害対策について、山口県
http://www.tamenteki-yamaguchi.jp/kennshukai/PDF%20%E9%B3%A5%E7%8D%A3%E5%AE%B3%E5%AF%BE%E7%AD%96/%E3%82%B5%E3%83%AB%E5%AF%BE%E7%AD%96%E4%BF%AE%E6%AD%A3.pdf
鳥獣害被害対策マニュアル、p74、農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/h26_03/pdf/data5.pdf
(サルの捕獲数と有害駆除について、統計など)
有害鳥獣駆除による捕殺がニホンザル個体群に与える影響、信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010791275
(サルの有害駆除が農作物被害の減少に役立っていない調査の報告と研究があります)
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