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近年、GPSやカメラ、ドローンなどの技術の進歩は目覚ましいですが、害獣の追跡にはどのように役立てられていますか?
活動場所 :宮城県
近年では野生動物の追跡は、学術調査でも農作物被害対策でも、GPS情報を利用した方法が中心になりました。
動物の首輪につけた機器からGPS情報を得るには、地球を周回している人工衛星を介してインターネット経由で得る方法と、動物に1km以内の距離で接近し、アンテナをつけた端末機器から得る方法があります。
あるいは、ソーラー装置を付けた固定の受信基地を設置して、動物が接近した場合には自動で通信を行い、それを携帯電話の3G回線でインターネット経由で得ることもできます。
しかしこうしたGPSを利用した機器は価格が数十万円と高く、固定受信機器なども含めたシステム全体の費用も高くなります。
一方、携帯電話のGPS機能を応用して、端末機器を改良した装置を首輪に付けて、携帯電話の3G通信網からリアルタイムに位置情報を得る方法も使われています。
この場合、通信網の範囲内に動物がいれば、その位置情報をスマートフォン等で共有しやすく、追い払い対策やヒグマなどとの人身被害対策にも役立ちます。
しかし、山間地などの携帯電話の電波が届かない場所では機能しない場合もあり、また電池の持ちが短いことも課題となっています。
参考
尾瀬国立公園及び周辺域におけるニホンジカ移動状況把握調査業務報告書、H27年、p6、p13、環境省
http://www.env.go.jp/park/oze/data/H27_oze_idou_1.pdf
シカによる森林被害緊急対策事業、H28年、p4〜6、林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/attach/pdf/tyouju-60.pdf
知床の野生のヒグマをGPSケータイで追跡調査、NPO法人・南知床ヒグマ情報センター、日本電信電話ユーザ協会、
http://153.254.147.9/ict/frontier/service/201212news_3.html
GPS携帯テレメトリと高解像度衛星データを活用したタヌキの行動および生息環境の調査、電力中央研究所
https://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/leaflet/V08063.pdf
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