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タイワンリスという害獣がいるようですが、どのような農作物、林業、家屋への被害がありますか?
クリハラリスは近年には局所的に急増して農作物や林業、家屋や電話線などに被害を出しています。柑橘類やカキ、ビワなどの果実やダイコン、キャベツ、ホウレンソウなどの野菜を食害します。
またシイタケの原木やスギなどの木材に林業被害が出ています。これは樹皮を輪状に剥がして樹木が弱ったり枯死してしまうためです。また人家の屋根裏や戸袋などでも木材をかじって巣を作り、そこへ行く途中の電線や電話線の被膜をかじる被害も出ています。
クリハラリスは在来種のニホンリスよりもエサを幅広く食べるために競合が生じやすく、一部ではニホンリスの地域的な絶滅も危惧されています。
さらにその繁殖力が極めて高く、短期間で個体数密度が高くなるため、対策が手遅れになると急速に生息地域が広がるために膨大な人手と費用がかかるようになります。
日本哺乳類学会は神奈川県に対し、分布拡大を防ぐための要望書を平成31年1月に提出しました。長崎県壱岐市では過去に12万匹が捕獲されましたが数は減る気配を見せません。
一方熊本県の宇土市では宇土半島西部で根絶対策がとられて、平成28年末の推定生息数が100頭を割り、根絶の可能性が見えてきているとしています。
参考
野生鳥獣被害防止マニュアル中型獣、農水省、P68-69
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/H29_manual_tyuugata_jyuurui/attach/pdf/180330-4.pdf
タイワンリスの特徴、農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/old_manual/manual_tokutei_gairai_old/data8.pdf
日本哺乳類学会のクリハラリスの分布拡大を防ぐ対策推進の要望書(平成31年1月28日)、神奈川県宛
http://www.mammalogy.jp/doc/20190130.pdf
タイワンリス繁殖増で対策が急務、令和元年7月、壱岐新報
http://ikishinpou.com/news/タイワンリス繁殖増で対策が急務/
宇土半島からタイワンリスを根絶しよう、熊本県
https://www.pref.kumamoto.jp/kenou/kiji_7191.html
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