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外来野生動物の対策の指針として、防除段階というものがあるそうなのですが、どのようなものでしょうか?
外来野生動物の防除段階とは、平成22年の生物多様性条約締約国会議で掲げられ、令和2年までに達成を目指す愛知目標に基づいて、平成24年に策定された外来種対策の中でも特に様々な被害をもたらす、侵略的外来種への対策に定義されたものです。
その外来種の定着段階に応じて防除のための目標と行動が定められました。
1. 未定着段階では、侵入防止を防除の目標とし、予防のための監視と情報収集を必要な行動とします。
2. 定着初期段階では、拡散の防止と国内根絶を目標とし、早期発見と早期対応による狭い範囲内での集中的な防除を行います。
3. 分布拡大期段階では、分布の拡散の防止と地域的な根絶や被害の低減を目標とし、拡大している地域とその周辺地域の連携により拡散を防止して分布拡大地域での早期防除を行います。
4. まん延期段階では、緊急に対策の必要な保護地域での地域根絶と被害の低減を目標とし、重要地域における監視と被害防止と集中的な防除を行います。
定着段階が進むほど防除などの対策は困難になり、費用と人手がかかるようになります。そのため、定着する前から、あるいはその初期段階からの早期発見と早期防除が極めて重要になります。
参考
外来種被害防止行動計画(生物多様性条約・愛知目標の達成に向けて)、環境省他
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/pdf/150326_1-02.pdf
アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)、p17、環境省
https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/manual_racoon.pdf
外来種による被害を防止するための考え方と指針、農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/pdf/150326_1-04.pdf
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