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最近、電気柵の電線よりも高い位置、人の背丈ほどの場所にピンクのテープが巻かれている田畑を目にします。
ピンク色でよく目立ちます。一部の田畑だけなので、農家さんが個人的に工夫されているのかもしれません。
友人に聞いたところ、農協の職員が風がふいたときにテープが「ブー」っと音がなるので、それに驚いて鹿が逃げると言っていたそうです。
鹿よりもイノシシに悩まされているので、このテープがイノシシよけにもなるなら是非使ってみたいのです。イノシシには効果があるのでしょうか?
活動場所 :岡山県
こんにちは。猪の被害を受け易い芋が多く栽培される鹿児島では、4年前くらいから使う方が増えましたが、現在では使用者も減少傾向です。
実際に農家の方に聞いた感想、うちの猪被害のある田んぼで使った感想として、ピンクの色が濃く風でブルブルとテープが鳴る内は効果がありますが、太陽光などで劣化が早くピンク色が抜け、テープの張りが弱まると全く効果がありません。2ヶ月に1回張り替えるなどすれば良いかもしれませんが、そうなると結果的にはコスパが悪く、結局電柵を導入する方が圧倒的に多いです。
小早川さん、こんにちは。
ピンクのビニールテープで動物が侵入を防いだという記事がいくつか見られますが、やはり一時的な効果はあっても、継続した効果は難しいでしょう。
色のついては、イノシシやブタは青系(青と青紫と紫の一部)の色彩は区別できても、赤と黄色に近い色ほど無彩色と区別できないことがわかっています。そのためピンク色のテープも見えていない可能性があり、テープが急に農地に現れたことや、テープに風が当たって立つ音に対して一時的に警戒しただけとも思われます。
しかし短期的な効果なら、動物写真家の宮崎学氏が、自家のタケノコを守ろうと旬の3日だけ防護するために、ビニールテープを緩く張り、ラジオを鳴らしっぱなしにし、さらに自身の小水を新聞紙にかけて所々に放置して、音と視覚と匂いでイノシシの警戒を誘うようにしたところ、うまく旬のタケノコを収穫できたとの記事がありました。
また青色プラスチック園芸ポットを使った、群馬県内の高校のユニークな実験記事があります。これはイノシシの2色型色覚(赤・緑色の色盲)を利用して、青色園芸ポットをヒモにつなぎ防護柵としたところ、長期に渡ってイノシシの侵入を防ぐことができた、とあります。逆に赤色ポットではイノシシに見えていないためか、侵入防止の効果がありませんでした。
また同校では、ハタキの先のような青色スズランテープをつないでマイタケ菌床畑にて防護柵にした場合でも、テスト期間中の半年以上に渡って侵入を防いだとあります。
詳しくはリンクの報告をご参考ください。
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/wp-content/uploads/report2018_P34.pdf
(イノシシの生態・行動と色覚に関する研究、平成30年)
https://gaku-blog.net/post520.html
(タケノコをめぐるイノシシとの格闘、写真家・宮崎学、平成20年)
困ったことがあれば、気軽に聞いてみましょう。似た質問がすでにあっても遠慮はいりません。状況は1人1人違います。また最新の情報が出てくるかもしれません。