同じことで困っている人はたくさんおられます。質問するだけでも貢献に繋がります。
鹿の森林被害が深刻な場所が増えています。防止対策はどのような方法がありますか?
活動場所 :岡山県
シカによる森林被害は地形や植生、シカの生息密度によって防護方法が異なり、最適な防護には十分な調査が必要です。
また狩猟者の高齢化と減少による捕獲圧の減少や、近年の温暖化で積雪減少による自然死が減り、シカが増えやすくなっているため継続的な捕獲も必要です。
防護柵では囲い方で大きく二つあります。
一つはパッチディフェンスと呼ばれ、植栽地の中で一辺が10mほどの小規模な柵を多数作る方法です。これは総設置距離が長いものの、見回り頻度が少なく、樹木の成長まで長く設置可能なので、トータル費用は安くなります。柵が一部破損してもシカ被害を分散できます。植林1ha当たりの15年間の費用は約340〜570万円です。
もう一つはゾーンディフェンスと呼ばれ、植栽地全体を一つの柵で囲います。費用は比較的安く済みますが、見回り頻度が高く、一箇所の破損でもシカ被害が大きくなります。植林1ha当たりの15年間の費用は約475〜535万円です。
また樹木をプラスチック製チューブで防護するマンディフェンスは皮剥ぎ防止には有効ですが、下層植物の被害防止には効果がありません。森林1ha当たりの15年間の費用は約575〜815万円です。
参考
森林管理者が行うシカ対策の手引き、H25年:野生動物保護管理事務所
http://wmo.co.jp/wp-content/uploads/H25wmo_rinya_3.pdf
このFAQにコメントがあればお願いします。