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牛舎でエサを与える時のセルフロックスタンチョンをシカの捕獲に応用していると聞きました。どのようなものですか?
セルフロックスタンチョンは静岡県農林技術研究所が開発したシカの捕獲器具です。
これは飼育牛の搾乳や検査時で牛が首を入れてその動きを抑えるための器具を応用して、角の無い成獣のメスジカを選択的に捕獲できるように改良したものです。酪農では牛がエサを食べる時に頭を入れて首を下へ下げると、器具が頸部を挟んで固定されて、目の前のエサの部分以外には動きが取れない仕組みになっています。
他のワナに比べて運搬と設置が容易で、シカが首を入れたら自動でロックされ、捕獲も止め刺しも安全に行うことができます。価格は5〜6万円で重さは約10kgあり、設置に要する時間は大人二人で約20分です。
セルフロックスタンチョンは、難しい技術も必要ではなく、くくりワナや危険猟法にもあたらないためワナ免許が不要です。
さらに囲い自体が無いため、捕獲されても閉塞感がなく、警戒心を与えにくいことや、ダメージが少なく、生け捕りも可能です。
器具がシカの寸法に合わせて設計されているため、箱ワナのような錯誤捕獲の可能性が低いことも利点です。しかし囲いワナのように一度に複数頭を捕獲はできず、他の誘引ワナと同様にエサの豊富な時期には、捕獲が困難です。
参考
平成26年度森林鳥獣被害対策技術高度化実証事業報告書、p73〜77:林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/h26koudokahoukokusyokincyuu.pdf
平成22年度森林被害対策事業報告書、p199〜212:林野庁、(株)野生動物保護管理事務所
http://wmo.co.jp/wp-content/uploads/H22wmo_rinya_5_0627.pdf
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