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シカの森林被害対策にさいねっとというものがあると聞きましたが、どのようなものですか?
埼玉県の林業事務所が、低コスト化を目指して、シカの行動研究の成果も生かした斜め張りのネット式シカ防護柵「さいねっと」を開発しました。
これはポリエチレン製のネットを、支柱からスカートのように斜めにたわませて張ります。ネットの網目はシカの足が入りやすい10cmの菱形になるよう構成してあり、嚙み切られても補修がしやすい結節式で交点が編まれています。
シカがネット上を歩いたり、くぐろうと潜り込んでもネットが絡まり、侵入しにくくなっています。ネットには上下に太さ4mmのロープを渡してあり、地上部の固定では頭頂部に返しのフック付きのアンカー杭で固定します。
支柱はたわみが出る直径35mmのFRP製で、ロープの固定用のイボがあります。設置高は約1.8mで、たわみの地上幅が約1.8mです。
設置に必要な地表整理幅は、垂直型ネットの1〜1.5mよりも広くなり2〜3mは必要で、設置面積が従来型より多くなるため、複雑な地形や小面積地には適しません。
静岡県で運用された結果では、設置単価が41.5万円/haとなり標準的な金網式の162.3万円/haや縦張り式ネットの53.2〜61.3万円/haよりも安価になりました。
参考
(斜め張りネット)さいねっと:林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/sainet.pdf
斜め張りネット柵によるニホンジカ等被害対策の低コスト化:静岡県
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-850/29seika5.pdf
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