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ICT機器を使った罠は大変高価です。既存の捕獲機器を比較的安価にICT化して成功した事例はありますか?
長崎県五島市玉之浦町では、シカやイノシシの対策として半径5mの金属製の円形囲いワナが以前から設置されていましたが、捕獲向上を目指して、扉の繰り糸式トリガーのみをICT機材に変更して成果をあげています。
これは、シカやイノシシなどの農作物被害や石垣の崩壊、家庭菜園への被害が増え続け、市街地にも出没してきたため、緊急に必要な対策でもありました。
ICT技術の導入で、動物の動きもセンサーカメラで可視化でき、侵入経路やエサの位置と量などの誘引ルールを決めることも可能になり、捕獲技術の向上にも役立ちました。
またワナの学習により捕獲できないようなスレ個体を作らず、同時に捕獲機会も失わないタイミングも測ることができ、見回りなどの労力を減少させ、捕獲意欲を増すことができました。
ICT技術の導入の前後では、シカの捕獲数は2.2倍に増え、その生息密度も推定で47.3/㎢から25.2/㎢に減少しました。また従来の方式では片道37kmの頻繁な見回りが必要でしたが、カメラの設置により、その負担も軽減され、結果として1頭あたりの捕獲経費も、導入前の5,985円から、最終的には3,653円と経費の削減にも役立ちました。
参考
ICTによる捕獲システムを活用したイノシシ等の食肉への活用までの実証試験、p36:農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/30_ict_seika/attach/pdf/ict_kenkyu_seika-14.pdf
長崎県五島市におけるICTなどを活用した鳥獣被害対策について、
H31年:独立行政法人・農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002006.html
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