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ハクビシンやアライグマが廃棄果物を食べています。ハクビシンやアライグマにとって貴重な食糧となってしまっているのでしょうか?
人家の庭によくあるカキをハクビシンが食害した場合、1個のカキから1日に必要とするエネルギーの22%を得られることが、農研機構の平成31年の研究調査で分かりました。
これは5個も食べれば、1日分のエネルギー量となり、時間にすれば5〜6分で、得られることになります。
またイチゴの廃果場での調査では、ハクビシンは1分間に6個程度を食べていたため、1粒15gほどのイチゴ果実が廃果場にあるとすると、わずか13分間ほどで1日分のエネルギー量を得られることがわかりました。
アライグマでは、採食効率が低く、1分間に3.8個ほどの廃果イチゴを食べていて、1粒約6gのイチゴが廃果場にあるとすると、約95分間で1日に必要なエネルギー量を得られることになります。
こレは森林で1日に活動する時間の1.8%〜13.2%に過ぎません。
いずれの場合も、果物が廃棄される場所は、野生動物が食べ物からエネルギーの獲得するのに、効率の高いエサ場であることが示されました。
こうした廃果場は栽培地に近く、多忙のために鳥獣防止の対策が取られない場合もあり、野生動物の餌付けに等しい状況となっていて、さらに鳥獣被害を生む可能性が示唆されました。
山間部では庭や畑に果樹がある場合も多いですが、高齢化で放置されたままの果樹が目立つようになっています。
放置された果樹も害獣をおびき寄せる餌になってしまっています。
参考
鳥獣害グループ、ヘッドラインニュース:農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/chougai/index.html
中型食肉目による廃果採食効率の試算、イチゴ果実の場合:農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/english/laboratory/carc/files/CARC_Report_04_2.pdf
鳥獣害対策研究の最前線:公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会
https://www.jataff.jp/books/order/journal/yousi/JATAFFj0710.htm
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