同じことで困っている人はたくさんおられます。質問するだけでも貢献に繋がります。
イノシシは群れで行動しているようですが、落とし穴で一網打尽にできないのでしょうか?
鳥獣の捕獲に落とし穴を使用するのは法令で禁止されています。
万が一人間が落ちてけがをした場合、刑罰の対象及び損害賠償問題にもなるため、絶対に行わないようにしてください。
法令の問題を抜きにしても、イノシシの跳躍能力は助走なしで2m近い高さを飛び越えるほどと言われており、鼻で土を掘るのも得意なので単純な落とし穴は簡単に逃げられてしまいます。
運動能力の高いイノシシを捕獲するには、くくり罠か箱わな、囲い罠が安全かつ確実です。
特に一度に複数頭を捕獲したい場合は、箱わなか囲い罠が最も適しています。箱わな・囲い罠の場合、親とその子供複数がいっぺんにかかる事もよくあります。
イノシシは警戒心が強く、知能も高いため、警戒心が薄れるまで根気よくわなに餌を入れ続ける必要がありますが、付近のイノシシの数を減らすには最も効率的な捕獲方法です。
くくり罠の場合は一頭ずつしか捕獲できませんが、コストが安く餌を用意する必要もないため、イノシシの通り道に多く設置しておくことで高い効果が期待出来ます。
最後に、罠で有害鳥獣を捕獲するには狩猟免許が必要になる点にも注意してください。自分で免許を取るのが難しい場合は地元の猟友会などに相談すれば、自分の地域を猟場にしている猟師を紹介してくれる場合もあります。
参考
鳥獣の捕獲に関する制度
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/h18_03/pdf/data4.pdf
活動場所 :宮城県
このFAQにコメントがあればお願いします。
法令で禁止されている猟法の一つの落とし穴について補足させていただきます。
明治以前には、イノシシ対策を石積みで行われ、その後が今も北関東から沖縄にかけて各地に残っています。それと合わせて捕獲のための落とし穴の跡も残っています。
しかし落とし穴による狩猟は鳥獣保護管理法で危険猟法として爆発物、劇薬、毒薬、据銃、つり上げ式くくりわな、かすみ網と共に禁止されています。
落とし穴は、一度そこに落ちると二度と自力では出られない構造として作られます。禁止される理由としては以下があげられます。
・人が誤って落ちて生命に重大な危害を及ぼす可能性があること
・動物が錯誤捕獲されても捕殺される可能性が高いこと
・箱罠やくくり罠に比べて見えにくく捕獲された動物の管理が困難な場合もあり放置されやすいこと
・その場合には動物が飢えに苦しみながら死ぬこと
平成29年には広島市内で、工事の資材置き場で飼っていた土佐犬が逃げ出し、近くの山中で穴にはまり抜け出せずにいるところを助けられたニュースがありました。大きな犬が出られないほどの穴が自然にあったのか、古い落とし穴だったのかは分かっていません。
私が子供の頃に山奥の工事現場で、発破(爆発物)を川に投げ込んで爆発させ、川魚をショックで浮かせて大量に得た話を聞いたことがあります。これも禁止猟法の一つですが当時はそれが話としてもわかりませんでした。
狩猟免許の試験でも出題されるので、免許を取得する方はよく覚えておきましょう。
困ったことがあれば、気軽に聞いてみましょう。似た質問がすでにあっても遠慮はいりません。状況は1人1人違います。また最新の情報が出てくるかもしれません。