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農作物被害を起こす動物を捕獲した場合、処分はどのように行うのでしょうか?
シカやイノシシなどの大型動物では、箱わなやくくりわなで捕獲されることが多く、その止めさし(とどめをさすこと)には、空気銃(要免許)や、電気止めさし器が増えました。
空気銃は散弾銃より威力が弱いため跳弾などの事故が起きにくく、使用と管理が容易で、10mほど離れても使用可能なことや、弾代が約8円と経済的な利点があります。
電気止めさし器は、免許や許可も不要で経験が浅くとも確実に止めさしができ、材料も手に入りやすく、利用が増えています。器具は、自動車用のDC12Vバッテリー、AC100Vインバーター、先の尖った電極棒と電線などです。
箱ワナではワナの金属部分をアースにし、くくりわなではアース用のと2本電極を用います。給電電極を動物の心臓の近くに刺して、スイッチを入れます。
動物を傷つけず、その片付けも容易です。しかし動物に近くため、その動きを固定する必要があり、ワイヤーなどで保定して、安全を確保してから行います。
アライグマなどの中型動物には、炭酸ガスによる方法が多く取られています。小型の箱わなを使い、捕獲したら処理場へ運び、タンクとホースで繋がれた一回り大きい容器に入れてガスを送り、意識を失わせます。
参考
野生鳥獣被害防止マニュアル、p74、捕獲した個体の処分方法
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_manual/H29_manual_tyuugata_jyuurui/attach/pdf/180330-4.pdf
技術資料:止めさし技術について、NPO法人エンヴィジョン環境保全事務所
http://www.env.gr.jp/ja/2_jigyo/kyoiku_dl/tomesashi.pdf
電気止めさし器の開発、長崎県農林技術開発センター、H27年
https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nougi/theme/result/H27seika-jouhou/fukyu/F-27-01.pdf
シカ捕獲ハンドブック、くくりわな編、P26、静岡県、H28年
https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-850/sikahanndobukku.pdf
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