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冬の水田や畔が鹿の冬場の食料になっているようですが、寄せ付けない良い方法はないでしょうか?
水田では収穫後の晩秋から早春にかけて生えているヒコバエと、畔や道路の法面に生える緑草が、シカの越冬食料になり、畑や人里に引き寄せています。
滋賀県内の例では、ヒコバエの量が10アール当たり約450kgにもなり、食べ跡から50kgは食べていると推測されています。
ヒコバエの量を抑えるには、稲の遅植え・早めの中干し・早めの穂肥(ほごえ:穂が出はじめの登熟期の肥料の追加)を行うことで慣行栽培の25%まで抑えられます。
また収穫後に秋耕することでも直接抑えられます。しかし時期が早いと冬季に緑草が茂りやすく、地域ごとで異なりますが、およそ10月中旬以降が望ましいともされています。
冬の畦や法面では、100m2当たり8kgもの緑草をシカが食べて、農地にシカを誘い入れる要因になっています。そこに雑草のチガヤを繁茂させておいて、4〜6月に3回ほど刈り、その後は茂ったまま冬季に冬枯れさせておくと、緑草の繁茂を抑える効果があります。
またヒガンバナの冬枯れが緑草の繁茂を抑えてシカ対策に役立ちます。さらに毒性のアルカロイドを含む球根をイノシシが嫌うので、土手をほとんど掘り返さなくなり、イノシシ対策にも役立っています。
参考
新しい時代の鳥獣害対策、p6〜7、農林水産省
https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/einokanri_pamphlet.pdf
営農管理的アプローチによる鳥獣被害防止技術の開発、p8〜9、農林水産省
http://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/chougai/wildlife/hokoku_final.pdf
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