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シカによる樹皮剥ぎ被害対策としてテープ巻きがあるようですが、どのようなものですか?メリット、デメリットを教えてください。
シカの樹皮剥ぎ対策に使用されるテープ巻きのメリットは、被害度3の森林まで対応できることと、樹皮剥ぎを防ぐ効果が高く、巻かれた樹木の樹幹では被害がほとんどありません。
近年ではトウモロコシを原料にしたポリ乳酸を主成分とする生分解性のテープ(商標名リンロンテープ)を使うことが多くなりました。このテープは使用後の片付けが要らず、環境保全にも役立ち、他の方法よりは比較的安価です。
以前に使用された梱包用のポリエチレン製テープよりは高価ですが、5年から7年ほど使用した後で土に戻り、微生物が水と炭酸ガスに分解します。
しかしデメリットもあります。複雑な形をした根元の根張りではうまく保護できず樹皮剥ぎの被害が起きます。
この部位ではポリエチレン製のネットを張ることで効果を上げていますが、ネットが高価なのが課題となっています。
またテープ巻きは樹木が成長して肥大するとテープが食い込んだり、巻きつけるのとその後数年に一度の見回りに人手がかかるためコスト高になります。
また樹木が若い時に将来残す木を選ぶ必要もあります。間伐による収穫が見込めないことや、テープを巻きつけない近隣の樹木にシカの被害が集中することにも問題があります。
参考
森林における 鳥獣被害対策のための -森林管理技術者のためのシカ対策の手引き ガイド - (平成24年3月版)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/gaide_all.pdf
森林における鳥獣被害の現状と対策 平成30年8月 林野庁
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/yaseidobutu/pdf/shiryo2401-7.pdf
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