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ここ数十年、鹿が急速に増えたようですが、鹿の繁殖力が高いからでしょうか?
鹿は非常に繁殖率の高い動物です。
ニホンジカであれば、10~11月頃に交尾をし、翌年の5~6月頃に出産します。妊娠期間は約230日(8ヶ月弱)と、人間の平均妊娠期間である266日(9ヶ月弱)と比べてもそこまで短くありません。基本的には1回の出産で生まれてくる子供は1頭ですが、ごくまれに2頭生まれることもあります。
驚異的なのは、その妊娠率の高さです。生息地の条件などによって多少の誤差はありますが、ニホンジカは満1才の秋には発情期を迎え、70%以上が妊娠します。仮に1才で発情期を迎えなかったとしても、2才以上になれば妊娠率は80~100%と非常に高くなります。それに加えて、10才を超えても妊娠率が低下しないという特徴があります。
単純計算すれば年間に生まれる子供は1頭の雌につき1頭(ごくまれに2頭)ですが、その生まれた子供も1年後には子供を妊娠・出産している可能性が高いのです。個体数が多い地域の妊娠率は年によって大きく変動しないことも分かっています。鹿の捕獲率は年々増加しているにも関わらず、個体数が減らないのは上記のような「高い繁殖率」を保っているからです。
参考文献
野生動物による森林被害
https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/1st-chukiseika-7.pdf
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