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イノシシの被害はここ10年ほどで急速に増えています。なぜなのでしょうか?
イノシシは明治期に乱獲されて数が減少し、昭和に入ってもすぐには回復しませんでした。平成元年から平成25年までの生息数は推定で約31万頭から約98万頭になり、25年間で約3倍と急激に増えています。
これはイノシシが大型獣にしては繁殖力が高いことが一つの原因に挙げられます。ほぼすべてのメスが毎年妊娠して年に4〜5頭の仔を生みます。
さらに子育て中のメスは仔だけと単独で生活し、オスも群れを作りません。このため群れを一網打尽にすることは難しいのです。
成長が早く駆除も容易ではない動物です。平成22年には48万頭も捕獲されても生息数は急激には減少していません。
イノシシは人里に近い平地に住む動物です。近年、中山間地域では過疎化で耕作放棄地も増えてイノシシのエサ場になる場所が増えています。
手入れがされなくなった林縁部の田畑では、下草が生えてイノシシが水田や畑のすぐそばまで来やすくなっています。
さらに狩猟者の減少と高齢化により捕獲が減少して増えやすい環境が整っています。イノシシの捕獲では罠で行う場合も多く、これには見回りや捕獲後の処置でも多くの労力を必要とするため、対応しきれない場合も出てきています。
これらのことが重なってイノシシの増加につながってきました。
過疎地や、狩猟者の減少や高齢化の問題はすぐに解決できる問題ではなく、むしろ深刻化していると言えます。。
イノシシを増やし過ぎないようにするには課題が多く残っています。
参考資料
統計手法による全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等について
https://www.env.go.jp/press/files/jp/29490.pdf
いま、獲らなければならない理由
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/imatora_fin.pdf
イノシシを知る 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/1shou.pdf
イノシシの生態とワイルドライフ・マネジメント
http://www.jppa.or.jp/shiryokan/pdf/60_02_01.pdf
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