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ここ数十年、鹿が急速に増えたようですが、どのような理由があるのでしょうか?
ニホンジカは平成元年には約30万頭生息し、平成28年末には272万頭が生息していたと推定され、この28年間に数が約9倍になったと考えられています。
ニホンジカが急速に増えた原因はいくつか考えられています。
シカは繁殖力が高く、群れで繁殖し1頭のメスが毎年1頭の子を産み、その寿命も長く、植物ならほとんど何でも食べてエサに不自由せず、無くなればどこへでも移動できるためです。
明治期には乱獲されて数が激減し捕獲が規制されました。
戦後も規制が続いて減少が止まり、その後に生息数が回復しても規制緩和が遅れ、平成19年までメスジカは禁猟になっていました。
またニホンオオカミも絶滅して天敵もなくなり、近年では狩猟者の側でも人数の減少と高齢化のために捕獲数が減少しました。
エサについても戦後には拡大造林で森林伐採による草地が一気に増え、戦後開拓地の牧草地造成で草地が増加し、さらに近年には農村集落で過疎化が進んで離農者も増え、耕作放棄された農地が増えました。
さらに気候の温暖化で積雪量が減少してシカが越冬しやすくなり、冬季の減少が小さくなってきました。
これらのことがいくつも重なり急速に増えたものと考えられています。
参考資料
統計手法による全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等について
https://www.env.go.jp/press/files/jp/29490.pdf
いま、獲らなければならない理由
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5/imatora_fin.pdf
森林における 鳥獣被害対策のための -森林管理技術者のためのシカ対策の手引き ガイド - (平成24年3月版)林野庁
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/gaide_01.pdf
シカの異常増加を考える 北海道大学
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/54808/1/65_2_108_116.pdf
上記のFAQについてコメントがあればお願いします。
一昔前まで、雌鹿が狩猟鳥獣から外されていました。理由は、明治以降狩猟具特に狩猟銃等の高性能化による人間による捕獲等により保護が必要なほど鹿が減ったためです。ところが、食生活の変化で野生鳥獣を食べなくなったり、軍服の為の毛皮の利用がなくなったり、燃料革命により里山の状況が変わり、餌場が増えたり、狩猟者人口の減少等が重なり急激に生息数を増やしました。
901潜さん、回答ありがとうございます!
冬に道路の凍結防止に撒く塩化カルシウム、さらに寒冷地では塩化ナトリウムを撒くのでこれも鹿などの草食獣が増えるのを助長していると云う説もあります。
困ったことがあれば、気軽に聞いてみましょう。似た質問がすでにあっても遠慮はいりません。状況は1人1人違います。また最新の情報が出てくるかもしれません。